「お前には魔法の才能がない」
父にそう言われて、アルカは公爵家を追放されてしまった。
彼は唯一味方だった従者に見送られ、家を後にした。
追放された彼が街を彷徨っていると、ふいに地面に倒れている浮浪者を発見した。
食料を求める浮浪者に食べ物をプレゼントすると、浮浪者は絶世の美人になった。
なんと助けた浮浪者は実は、世界最強の大賢者なのだという。
助けてくれたお礼に、1つだけ願いを叶えてくれる大賢者。
そんな大賢者に、アルカは弟子にしてくれと頼み込んだ。魔法の才能がない自分でも、大賢者の元で修行すれば人並み程度には魔法を使えるかもしれないと考えたのだ。
困惑しながらも、大賢者はアルカの弟子入りを受け入れた。
かくして、アルカは大賢者の弟子になった。
大賢者の弟子になって1ヶ月が経つも、アルカは魔法を使えなかった。
自身の無能さに絶望するアルカだが、ふいに大賢者の部屋の本棚に納められた古い本が目に入る。
その本を手にし、アルカは本を捲った。
「それは古代魔法について書かれた魔法書だな。現代では解読不可能な古代文字で書かれているから、ワシでも内容はさっぱりわかんねぇけどな」
「……僕、普通に読めます」
「ウソだろ!?」
何故か現代では解読不可能な古代文字を読み解けるアルカは、魔法書を解読して古代魔法を習得した。
魔法の才能がないと思われていたアルカだが、それは誤りであったのだ。
アルカは"現代魔法"の才能がないのであって、"古代魔法"の才能はあったのだ。
アルカは最強の古代魔法を手に、これまでの屈辱に満ちた人生を覆す。
これは才能がないと思われていた少年が、唯一無二の才能を開花させて最強に至る物語。
レビュー