ミュリエル・ブランシャールはそれでも彼を愛していた

 確かに愛し合っていた筈なのに、彼は学園を卒業してから私に冷たく当たるようになった。
 なんでも、学園で私の悪行が噂されているのだという。勿論心当たりなど無い。
 噂などを頭から信じ込むような人では無かったのに、何が彼を変えてしまったのだろう。
 私を愛さない人なんか、嫌いになれたら良いのに。何度そう思っても、彼を愛することを辞められなかった。
 
 ある時、遂に彼に婚約解消を迫られた私は、愛する彼に強く抵抗することも出来ずに言われるがまま書類に署名してしまう。

 私は貴方を愛することを辞められない。でも、もうこの苦しみには耐えられない。
 なら、貴方が私の世界からいなくなればいい。
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