婚約破棄は彼の愛?〜新しい恋人をつくった王子は、私のために私を追放してくれたらしいけど、それって自己満足じゃないですか?〜

著者:鈴木 桜

国を支える大聖女であり未来の王妃でもある私の婚約者──つまり王子は、恋多き男だった。「結婚したら、もちろん君一筋だよ」これが口癖。言い換えれば、結婚するまでは女遊びをやめないという宣言だ。
そんな恋多き男が、「真実の愛」を見つけたらしい。相手は田舎から出てきた純朴そうな男爵令嬢。大聖女に匹敵するほどの神聖力を持っているという。
二人は「真実の愛」とやらを盾にやりたい放題。
ついには私との婚約を破棄したうえ、「僕の恋人を虐げた!」という馬鹿らしい理由で私は国外に追放されることに。
その噂を聞きつけた隣国の王子が、追放される私を王妃として迎え入れたいとやって来た。我が家にとっても悪い話ではないので、快く引き受けることに。
そして隣国の王子に手をとられ、出発する時になって、なぜか涙を流す元婚約者。
「婚約破棄も追放も、全ては君のためなんだ……!」

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