ねぇ花田。好きって言ったら、困る?

著者:杏野 いま

(今日も花田が格好良くて困る)

 一年前、好きな人からもらった答えは「無理」だった。

 高校二年生の江藤凛は、自分をこっぴどく振った相手・花田陽介と『友達』である。彼を好きな気持ちは今も変わらず、こっそり胸をときめかせる日々。だが、もう伝える勇気はない。
 くだらない話をしながら隣で過ごす時間が、ただ楽しかった。

 しかしホワイトデーの朝、花田に好きな人がいることを知ってしまう。自分は彼にとって、『女の子』ではない。
 二度目の失恋をした凛は、友達として彼の恋を応援しようと決意する。
 放課後の教室ではじまった、花田との恋バナ。それは凛の想像とは、かけ離れたものだったーー。

(絶対に、絶対に言えないけど。――やっぱり、好きだ)

◆振った花田と振られた凛の、心を紡ぐ、お喋り恋愛。

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