剣客ウルフ

著者:ポチ吉

――金が無いなら死んだ方が良い。それがこの世界が定めた絶対のルールだ

 人体と電脳の融合《マン・マシン・インターフェイス》により人類が種の世代を一つ越えた世界。
 科学の進歩のつけを払う様に汚染された世界もまた同じ様に世代を一つ越えたのだろう。
 空気は、空から降る雨は、最早ただの人では耐え切れない程に汚れていた。

 そんな世界が人を拒絶した世界。
 人々は積み重ねるようにして造られた積層都市でしか生きられなくなっていた。

 電脳化すらされていないストリートチルドレン、コマヒコはそんな積層都市の一つ、カワセミの第四層の住人だった。
 第四層。公的には存在しないとされている下層区画。
 ゴミ溜めの様な街での暮らしは最悪だ。
 いつだって飢えていた。
 いつだって渇いていた。
 でもコマヒコにはそこから抜ける手段が分からなかった。
 その日、一人の達人《アデプト》に出会うまでは――。

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