シェリル・アンダーソンは侯爵家の一人娘として育った。病弱だった母親が息を引き取るまでは。
母親が亡くなってから一年が経った頃、父親が新しい妻と、そしてシェリルと一歳しか違わない娘を家に連れてきた。
これまで苦労させたから、と継母と妹を甘やかす父。これまで贅沢してきたのでしょう、とシェリルのものを妹に与える継母。あれが欲しいこれが欲しい、と我侭ばかりの妹。
シェリルが十六を迎える頃には、自分の訴えが通らないことに慣れ切ってしまっていた。
ある日、婚約者の公爵令息サイラスが、妹と仲良く話しているのを目撃してしまう。
そして数日後、サイラスから婚約を破棄したいと言われたシェリルは、しかたないと諦め、応じることにした。
――はずなのに、何故かそれ以来サイラスがよく絡んでくるようになった。
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