両親に似なかった黒髪、引き継がれなかった魔力。『不貞の子』ロレッタは家の誰からも愛されなかった。父によく似た妹ばかりが愛され、ロレッタは実母の不貞の証である黒髪を疎まれて短く切られ、誰からも愛されることなくひっそりと小さな離れで一人過ごしていた。
そんなある日、ロレッタは魔道具士のバルトルという男に嫁ぐことになる。魔力持ちの平民で一代限りの爵位を与えられている彼は貴族の娘と婚姻することで魔力を持った子を得て爵位を継がせていくことを狙っているらしい。
しかし、片親が平民である出来損ないの不貞の子ロレッタでは彼の求めている願いは叶えられない。罪悪感を抱きつつ、父の言いなりで彼に嫁いだロレッタだが、彼はとても甘やかに接してくれるのだった。
彼は自分が成り上がるために貴族の娘と結婚したかっただけだったのでは? それなのに、なぜ。
一方、不貞の子を都合よく平民の成り上がり男に売り払えたとロレッタの父は喜んでいたのだが……。
5/31昼・異世界恋愛、総合日刊1位、6/2週間異世界恋愛2位総合4位ありがとうございました!
※他掲載/アルファポリス
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