なんでも思い通りにしないと気がすまない妹から逃げ出したい~魔術師の弟子に求婚したら溺愛されました~

著者:木崎優

「君には大変申し訳なく思っている」

 私の婚約者はそう言って、心苦しそうに顔を歪めた。「私が悪いの」と言いながら瞳を潤ませている私の妹アニエスの肩を抱きながら。

 アニエスはいつだって私の前に立ちはだかった。
 これまで何ひとつとして、私の思い通りになったことはない。すべてアニエスが決めて、両親はアニエスが言うことならと頷いた。
 だからきっと、この婚約者の入れ替えも両親は快諾するのだろう。アニエスが決めたのなら間違いないからと。

 もういい加減、妹から離れたい。
 そう思った私は、魔術師の弟子ノエルに結婚を前提のお付き合いを申し込んだ。互いに利のある契約として。

 だけど弟子だと思っていたその人は実は魔術師で、しかも私を好きだったらしい。

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