「よろしくね。さとるおにいちゃん!」
小学五年生のある日、松原悟(まつばらさとる)が出会ったのは、白銀の髪に深紅の瞳を持つ幼女――三城亜梨栖(みしろありす)だった。
二人は歳が離れているがすぐに距離を縮め、幼馴染と断言出来る程に仲良くなる。
しかし高校卒業を切っ掛けにして、悟は亜梨栖と距離を取った。
関係は途切れたまま大学を卒業し、社会人になってからもそれは変わらず、目的もなく生きるだけの毎日。
そんな生活に変化が起きたのは、社会人となってもうすぐ一年が経つ三月末だった。
「お久しぶりです。兄さん」
高校生となり、見違える程に美人となった亜梨栖。
天真爛漫だった昔とは変わって、人形のように動かない表情。
関係を絶った悟に、彼女が会いに来た理由とは――
「これから貴方を――私の大好きな松原悟さんを――誘惑します」
これは社会人と高校生が紡ぐ、歳の差の恋物語。
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