私、セッコ・オーシストラ。27歳。
貧乏男爵家の長女として生まれた。
夫に召使いのようにこき使われながらも、今日まで家事、領地経営と頑張ってきた。
けれどある日、夫が浮気していたことが判明する。
耐えきれなくなって家を飛び出た私の元に、声をかけてきたのは、学園時代の旧友・アインス王子だった。
彼とは名門学園で一緒に音楽サークルで活動していた仲。
「宮廷音楽家として働かないか? 君のその音楽の才能を腐らせておくのは世界の損失だ」
彼にスカウトされた私は、宮廷楽団で働くことになる。
楽団のみんなは、私の奏でる曲の素晴らしさを讃えて、また私の音楽を求めて、たくさんの人たちが押し寄せてくる。
さらには、私の音には不思議な力が隠されてることが判明され、ますますみんなから必要とされていく。
一方、私を裏切った夫は、私がいなくなったことで領地の仕事がうまくいかず、また私の音楽のおかげで物事が全て上手くいっていたのに今更気づく……
彼は泣きついてくるが、もう遅い。私はホワイトな宮廷で新生活を送っているから。
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