瀕死の王子を薬釜で煮て国外追放された聖女ですが、後悔も反省もしていません。

著者:斯波

「大聖女 フーリアを国外追放とする」
高らかに宣言されたのは第一王子 クロードが一命を取り留めた後のことだった。
批難の声もあがっているが、国王陛下より下された命が覆ることはない。フーリアの功績は大きいが、不敬罪であることも事実。
瀕死の王子を助けたフーリアが取った行動は、王子を薬釜に入れて煮込むという方法だったのだから。
何より、貴族達が平民のフーリアを大聖女の席から引き摺り下ろす機会を見逃すはずはない。王の間の中ですら、薄っすらと笑みを浮かべている貴族がチラホラと目に入る。
フーリアが抵抗する姿を楽しみにしているのかもしれない。だが彼女が異議を唱えることはない。国外追放を受け入れることにした。だからこの場に来た。神官長から譲ってもらったアイテムを持ち、隣国の森に降ろされたフーリアは養父母の墓参りのため、遠い国を目指すことにしたのだが――。

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