私に興味がなかった政略結婚予定の騎士様が二足歩行の猫になって溺愛してきます。

著者:氷雨そら

 二足歩行の猫。
 それは、この国に住む人なら、誰でも知っている昔話。

(私の政略結婚予定の騎士様が、二足歩行の猫になって帰ってきました!!)

「会いたかったです……。生きていたのなら、どうしてすぐ、帰ってきてくれなかったんですか」

 私の顔が埋もれてしまうほど、長い毛。
 髪の毛の色と同じ白銀の毛並みと、猫みたいにクルクルと色を変えるその瞳だけを残して、騎士様のお姿は、すっかり変わってしまった。

「この姿を見てなんとも思わないのか」
「…………むしろ好き。あっ、えっと……。可愛いです。好きです」
「は? 君の目は節穴か。このおぞましい姿のどこに可愛いという要素がある」

 困った人を放っておけないお人好し令嬢と、そんな彼女を溺愛するツンデレ騎士様の、ファンタジーラブコメ。

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