叛逆のネクロマンサー ~母と妹を壊された死霊術士は、それなら世界を壊すと言った~

ハミルトンはマリエル辺境伯家に庶子として生まれたが、その境遇はあまりにも悲惨だった。
お手つきであった母と血を分けた妹は、慰み者にされたのちに殺されてしまっていたのだ。
残されたハミルトンは、四属性魔法の使えない落ちこぼれ。
兄や姉達は最後の玩具だと、『魔無し』の二つ名をつけ、彼を殺さぬようにいたぶり続けた。
ハミルトンは抱え込んだ感情の全てを内に溜め込み、ただひたすらに我慢し続けた。
そして十五歳になると同時――彼は親族全員を殺し、辺境伯の地位に就いた。
ハミルトンは魔法が使えなかったわけではない。
彼は王国において禁術とされている、死霊術の天才だったのだ。
「母と妹を殺したこの世界は間違っている。間違ったものは――正さなければならない」
復讐を成し遂げ爵位を手に入れても、ハミルトンの心は一向に満たされることはなかった。
彼は母と妹を殺す原因になった貴族制度そのもの、ひいてはそれを元にして成り立つ王国の打破を決意する。
死霊術の力と知謀、そして両親から受け継いだ美貌と話術を巧みに使い、彼は歩き続ける。
ハミルトンは決して止まらない。
空になった心の器が、満たされるその日まで……。

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