妹大好き悪役令嬢は断頭台を目指す

「――つまりこれは、筋書きのある舞台のようなものなのね?」

 恋愛シミュレーションゲーム【月光のリーベリウム】における『悪役令嬢』、アーデルハイド・フォン・ヴァンデルヴァーツは、ある日自分を待ち受ける運命を知った。

「私の『役』は……『いじわるな腹違いの姉にして、人の優しさを解さぬ高慢ちきなお嬢様』?」

 『主人公』たる異母妹、レティシア・フォン・ヴァンデルヴァーツをいじめ抜き、そして最後には断罪されるのが役所。

「よろしい。与えられた役を、演じ抜いてみせましょう」

 ここは、誰かが作った物語の舞台。
 舞台をぶち壊すことは、きっとできる。

「あー、うちの妹可愛い……めっちゃかわ……はっ、いけない。いじめ抜かなきゃ……」

 それでも、運命に抵抗しないことを決めた。
 この舞台をぶち壊しかねない素人どもに、未来を変えさせない。

「目標その一、【最後の舞踏会】。目標その二、【断頭台】。ありとあらゆる抵抗を排し、全てをあるべき未来へと」

 善良な妹に幸福を。
 非道な姉に報復を。

「私の妹に、幸福を贈る。誰にも、邪魔はさせない」

 異母妹――自分の地位を脅かすかもしれない、"冷徹非情のヴァンデルヴァーツ"の当主にとっての『敵』を。
 血を分けた妹を、本当は大好きな姉がいただけの話。

「お姉ちゃ……お姉様!」

 でも、その妹も、姉(私)のことが大好きみたいで……。

 目標達成の一番の障害になってるのどうしよう。

・あらすじ圧縮版

 悪役令嬢のお姉ちゃんが、妹の幸せのためにゲームシナリオ通り断頭台エンドを目指す。
 ……でも、妹は姉妹百合エンドを目指しているかもしれない。

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