【完結】今日で貴方を忘れます。だからどうぞお幸せに。【なろう版】

レビュー(1件)

「卒業したら君と結婚する。だから、卒業の日まで恋をする事を許して欲しい」

私の最愛の婚約者は、とても辛そうな顔をして私に告げた。

まるで私との結婚が不幸の始まりみたいな顔ね。
本当に愛してるのは彼女なんでしょう?

それでも国のために、この国に住まう民の為に、自分達の愛を犠牲にして、貴方は私との結婚を選んだ。

まるで、私が2人を引き裂く悪者みたいね。

いいのよ。
そんな苦しそうな顔しないで。

私が貴方を諦めるから。

だから貴方は、幸せになって。

愛する人と、どうか幸せに───。

※ムーンライトで連載していたものを、なろう版に改稿したものです。
※アルファポリスにも掲載中です。
※完全ご都合主義の展開、ゆるゆる設定。
※誤字脱字報告とっても助かります(^人^)

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レビュー

  1. Mr.h より:

    公爵令嬢セイラは七歳で第一王子マシューと婚約し、相思相愛の間柄であったが、十年後、マシューからいずれ結婚はするが、それまでは好きにさせてくれと言われたうえに、男爵令嬢マリアと一線を越えた姿を目の当たりにしてしまい、マシューを忘れるべく自身の記憶を消す薬を飲んでしまう。そして十日間の眠りののち目覚めたセイラはマシューとの記憶はおろか、セイラのもう一人の幼馴染でマシューの側近候補であり、セイラに仄かな恋心を抱いていた侯爵家の次男・ジュリアンとの記憶や未来の妃として受けてきた教育のすべてを忘却していた――が本作のあらすじ。

    一見すると、いくら第一王子であるマシューが不義理をしたとはいえ、それに反発することは王家に対する不敬とも取られかねないが、公爵令嬢のセイラの父親が国王の従兄弟であり、ジュリアンが王家の親戚であることを意味する侯爵の次男と設定することにより、極力パワーバランスを均衡にしていることが分かる。逆に言わずもがな、『間女』たるマリアが男爵令嬢という、貴族社会のヒエラルキーでは前述の三人より明らかに下であることを明示しているのが理解できる。
    その一方で、最後に救いとなる展開を織り込むことで、読み手の胸糞が悪くならないよう配慮されている。