器用貧乏だと追放されたSランク剣士、暇だったので神々の迷宮に挑む~余裕でクリアしていたら知らないうちに人類最強だと名を馳せていた件。俺は別に英雄なんかじゃない、ただの暇人だ~

「ケネス、君はもう我々『龍の刻印』には必要ない」

Sランク剣士として、どんなことでもそつなくこなしてきたケネス。
だが、気分屋であるエドとその恋人であるアナに追放を言い渡されてしまう。

「おいおい、命乞いはなしか? それとも強がっているのか? ああ?」

「本当は怖いんじゃないの? これからどう稼げばいいんだろうって?」

そんなことを言われていたケネスであったが、当の本人は全くノーダメージであった。他二人はデートやら食費やらで散財していたが、ケネスの趣味は貯金。お金には困っていないどころか、二十年は遊んで暮らせる余裕があった。

さらに言えばケネス個人にもSランクの称号が付与されている。

彼は器用貧乏と呼ばれていたが、ただ単純にどんなことでも『完璧にこなすことができる』万能剣士なだけなのだ。

ケネスは今後、どう過ごそうか悩んでいるとこんな話が耳に届く。

「なあ。神々の迷宮に挑んだパーティが帰ってこないらしいぜ」

「仕方ねえだろ。ありゃ人間が挑むものじゃねえ」

神々の迷宮。それは攻略すれば神々の加護が与えられどんな夢でも叶えることができると噂されているダンジョン。
難易度は神々と呼ばれるだけあり階級では振り分けることができない。

「あ、そうだ。暇だしチャレンジしてみるか」

しかしケネスは暇だからと言う理由で攻略に挑むことにする。
さらに余裕で攻略してしまい、次第に英雄と呼ばれるようになるのだが――

「え? なんで俺英雄って呼ばれてるの?」

これは暇人による無自覚英雄譚である。

日間ハイファンタジーランキング1位に掲載されました!

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー