【短編】婚約破棄されたら、知らなかった私狙いのお兄様が乗り込んで来て『氷の暴君』化してしまった。

三年婚約関係にいた王子から婚約破棄を言い渡された王宮のパーティー。
『勉強しか出来ない気弱な令嬢』のリュエリアは、周囲からの心無い言葉をそこで浴びた。そのための場。

「そ、そんなぁ……」

リュエリアから、絞り出されたか細い声を聞いて、貴族達は醜く口元を吊り上げたが。

「殿方を『管理』しなくてはいけないなんて! わたくし、知りませんでしたわ!」

『気弱な令嬢』らしく、しおらしく泣きそうになりながら、リュエリアは反省を口にする。
他国の貴賓もいるこのパーティーで、リュエリアはすすり泣くふりをしながら、心無い言葉に乗じた反省に見せかけた侮辱を返す。
最後は、ちゃっちゃと我慢の限界みたいに大泣きして退散しようとしたのだが。

「――――嗚呼、リュエリア!」

扉を乱暴に開けて、氷の道を作るかのように冷気を放つ美丈夫が登場。
とろけるような笑みを浮かべているが、目は凍てつくほどに、冷たかった。

(ひぇええっ!! お、おおお、お兄様が、キターッッッ!!!)

完全に、予想外すぎる登場に、ガクブルと震えるリュエリア。
三年前から不在だった『お兄様』は、リュエリアの婚約の事実を知って、冷たく笑い、その場を凍り付かせた。

婚約破棄披露パーティーから、『気弱な令嬢』の猛反省(?)からの、『氷の暴君』の凍てつくパーティーとなってしまったのである。ガクガクブルブル。

※約2万文字の短編※前世持ちの異世界転生者ヒロイン※同居人だったので、お兄様呼びしているだけ※オレ様・独占欲・執着・溺愛※最強魔法使い※ざまぁからの過激なざまぁ※

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