聖女です。愛していた婚約者の王子に偽物、詐欺師と罵られて立ち直れないほど傷付きました。

「聖女は王国にただ一人。詐欺師め、今まで僕を騙していたのか!」

私は今まで聖女として身を削る思いで頑張ってきた。

全ては婚約者のカイル王子のために。

でもカイル王子に罵られて、婚約者破棄まで言い渡されて、心が粉々に砕けた気分だった。

彼を深く愛した分だけ、私の心に大きな傷が残った。

某伯爵家から聖女が現れたから、平民出身の聖女はもういらないってことですか?

一緒に笑って泣いて紡いできた時間は全部嘘だったのですか?

全てが嫌になった私は聖女としてのお仕事、国全体を支える精霊への祈りをボイコットしました。

でも大丈夫ですよね。

私は偽物なんですから。

本物の聖女が現れたなら、国を支える精霊への祈りも辛い魔力供給も、全部その人にやってもらえばいいんだから。

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー