元婚約者の幼馴染を振り向かせるために宮廷治癒師を目指していたら、いつの間にか『救世の聖女』と呼ばれるようになっていました

田舎村の治療院で育った娘シャルロットは、幼馴染の少年ソルベと結婚の約束をしていた。
軍人を志している彼は、王国軍への入隊試験を受けるために十二の時に王都へ旅立つ。
「十八になった時、必ず立派な軍人として君を迎えにやって来る」
その誓いの通りソルベは無事に試験を突破して、僅か十五で兵士から下士官に昇進、十八で国王直々に近衛騎士団の団員に任命された。
ソルベが栄誉ある騎士称号を授かったことにシャルロットは喜んだが、彼は一向に村に帰って来ない。
やがてシャルロットが二十になった時、王都に彼の様子を見に行った彼女はとんでもない事実を知ることになる。
ソルベは近衛騎士となったことで令嬢たちから求婚されて、すでに自分のことを忘れて伯爵令嬢の一人と恋仲になっていたのだ。
「田舎娘が分を弁えろ」と婚約破棄されたシャルロットは、再び彼を振り向かせるために宮廷治癒師を目指すと決意する。
宮廷職に就ければその時点で伯爵位となるため、実家の治療院を手伝ったり治癒活動をしながらひたすらに腕を磨き続けた。
やがて彼女は、多大なる治癒活動の功績を称えられて『救世の聖女』の称号を授かることになる。
周りの人たちに認められたことで幼馴染のこともすっかり忘れた頃、一人の近衛騎士が彼女のもとを訪ねて来る。
それは元婚約者の幼馴染であるソルベだった。
「俺と結婚しよう、シャルロット」
「はっ?」

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