外れスキル《規格外》

 冒険者を夢見るテオドール少年は、神託と共にスキルを授かった。しかし彼に与えられたのは珍しい割りに能力がしょぼい、《規格外》という外れスキルだ。

 規格外:製品や農作物などが、決められた基準に当てはまらないこと。別名、不良品。

 不良品を生産する力が戦闘に役立つはずもなく、序盤の金策に便利だったという評価のまま、彼は冒険者を引退することになった。

 しかし折よく街を訪れた、頭のおかしな師匠二人が課す修行を乗り越えて、能力があらぬ方向に曲がっていき、力を得た青年は己は何のために戦うのかを考えた。

 戦う理由の全ては賞賛されるためだ。ちやほやされたいという――それ以外の理由など無かった。
 長い下積みにより承認欲求モンスターと化した青年の、全力で喝采を受けたい物語。

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