泣かないで、勇者様

著者:間孝史

『お前は、俺の家来だからな!』

泣き虫ピュリアは、勇者様の一の家来。
魔王討伐に旅立つ彼のお供として、そのお世話に援護に余念が無い。
けれど、パーティーの仲間はそんな彼女を嫌い、次々に離脱してゆく。
全ては彼女が振るったその『力』に、原因があったのだ。

『おぞましい娘。穢れた女』

聖女様にすら見捨てられたピュリアを、それでも勇者は連れ歩く。

『光と闇が合わされば、それ最強じゃね? 勇者である俺の家来に、相応しい力だ!』

ピュリアの手を引き、勇者は笑う。

大好きな、大好きな、優しい勇者様。
だからピュリアは、彼の傍を離れない。彼を守る為なら、何でもするのだ。
例え、この身が、どうなろうとも。

――ピュリアは、勇者様の家来なのだから。

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