……だというのに、お姫様のテンションは妙に高かった。
「──なになにそんなに見つめちゃって。あ、もしかして見惚れちゃってた? かなかな、だよね、私ってばかわいすぎるもんねっ」
「……なんだ、こいつ……?」
これは残忍な王とお気楽なお姫様の物語である。
「さあ、初夜と洒落込もうよべいべーっ☆」
「……、何で人質同然に娶られた女が真っ裸でしかも仁王立ちで待ち構えてやがるんだよ」
「仮にも妻となったからにはきちんと役割を果たさないとだからねっ。というわけで、さあさあ!!」
「ちょっ、待て待て待て! 飛びついてくるな、俺は別にアンタをどうこうするつもりはないんだって!!」
まあ、基本的に王がお姫様に振り回されることになるのだが。
レビュー