巨大幻想世界~ヤンデレ強化人間達に愛されながら征くロボットファンタジー。巨人用の神器がでかすぎるならロボットに付ければいいじゃない~

著者:福郎

 人類が母星を旅立ち早数世紀。宇宙の秘密を暴くため、そして更なる発展のために異なる星への入植船団は次々と星の彼方へと出発していった。

 だがとある入植船団の一つは不運だった。

 目的地への道中、異様な力場が発生する宙域に捉われて、気が付けば見知らぬ惑星に全宇宙船が墜落してしまったのだ。

 幸い被害こそ軽微だったが、その惑星は彼らの常識の尽くを塗り替えた禁忌の星だった。

 現生する動植物の全てが巨大だったのは宇宙時代において珍しくもないことだが、かつてこの星に知的生命体が存在した形跡がそこかしらにあるとなれば話は別。人類は未だ他の知的生命体に遭遇しておらず、これは世紀の発見と言ってよかった。

 だが……全長二十メートルの巨大な人型の骨と、その居住施設とみられる遺跡はまだいい。問題だったのは……神としか言い様のない者達が残した様々な力を宿した器物に神器、その神が作り出した秘宝が眠るダンジョンと呼ばれる迷宮もまた、この星に残されていた。

 それだけではない。覇者である巨人と支配者である神が消えようと、代わりの動物達が星を支配していたのだ。

 三十メートルの巨大オーガ、二十メートルの巨大オーク、十メートルの巨大ゴブリン。その他様々な巨大生物に加え、ドラゴンとしか言いようがない存在まで。

 そのため、入植船団の科学者ではなく作家が真実を導き出した。

 ここは滅びた巨人達のファンタジー世界と言える星であり、我々は迷い込んだSF世界の小人だ、と。

 そして惑星シラマースと名付けられたこのかつてのファンタジー世界に人類が漂着して数百年。彼らは惑星の隅々にまで入植し、平和な世を作り上げ……

 られる筈がない。例え宇宙という領域に足を踏み入れた時代だろうと、人は愚かで間抜けで救いようがないのだから。

 世はかつて存在した神々が残した強大な神器、ダンジョン、資源を巡って戦う血みどろの時代。その結果、巨人の神器をロボットに組み込む発想に至り、それを扱う強化人間達が生み出された。

 結局人は……人は争うことを止められない。

 これはそんな世界で、強化人間である女達に愛された男の物語。

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