推しの敵になったので

 異能には必ず、代償がある。
 世界で初めて異能力《天稟(ルクス)》が確認されてから、数十年。
 《天稟》の持つ「女性に発現しやすい」という性質によって、世界は男女逆転社会の様相を呈していた。
 そんな世界を舞台に、一人の少女の治安維持組織【循守の白天秤(プリム・リーブラ)】への入隊とともに、物語の幕は上がる。

 ──というあらすじの漫画に転生した。

 転生先は最初の敵、ヒロインの初陣のダシにされるやられ役……なのだが。

「誰よりも早くヒロインに会えるってことじゃん!」

 俺、イブキとしては全く問題がない。
 むしろ一番近くでヒロインに会える美味しい立場。
 この当たり役を逃さぬよう、ヒロインに捕まらず、敵としてあり続け、それでいて彼女らに辛い思いをさせないのがオタクの意地の見せ所。
 たとえヒロイン達に嫌われようとも……!

 ──しかし、

「えへへ、捕まえちゃいました……♡」

 なにやら彼女達の様子がおかしい気がする。

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