「カタリナ。お前、わざと下克上を受け入れたろう」
血の繋がりのない兄エリアスに尋ねられ、カタリナ・アウィス辺境伯令嬢はにこりと微笑んだ。
その日、聖女として王子と婚約していたカタリナは、王子から婚約破棄を申し渡されていた。
彼の隣には可愛らしい男爵令嬢がおり、勝ち誇った笑みを浮かべていて。
「これからは私が聖女となり、扉をお守りしますから」
男爵令嬢は、異界と繋がる扉の封印継続を引き継ぎ、自分が王子の婚約者になると話す。
けれど、欲深く怠惰な男爵令嬢に聖女の役割は荷が重く……
自分が出演する乙女ゲームを未来視として見てしまった二人の聖女……暗殺される予定だった辺境伯令嬢と主人公として愛されるはずだった男爵令嬢の未来は、ゲームのルートから大きく逸れはじめる。
やがて、決して叶わないと諦めていたカタリナの恋も、進展を始めて……
ざまぁは比較的軽め。爽やかなハッピーエンドです。
レビュー