私が彼に会ったのは、九才の時。雨の降る町中だった。魔術師の家系に生まれて、魔力を持たない私はいらない子として、家族として扱われたことは一度もない。
――ね、君、僕の助手になる気ある?
彼はそう言って、私に家と食事を与えてくれた。
この時の私はまだ知らない。骸骨の姿をしたこの魔術師が、この国の王太子、稀代の魔術師と言われるその人だったとは。
骸骨殿下の婚約者
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