幼い頃から人のために尽くそうと、回復魔法を独学で学んだ私。
成人の日を迎え、舞い込んだのは、聖女になるということだった。
しかし第一王子のマルス王子に偽の聖女だと言われ、婚約は破棄され魔王討伐に挑む軍の戦場に送られる。
それは第二王子のルイス王子が手配してくれた私の昔からの願いでもあった。
劣悪な環境で死んでいく兵士たちを癒し、後続の回復魔法の担い手も育てながら、私はいつしか戦場に舞い降りた真の聖女だと呼ばれる。
だから私はこう言うのだ。
「聖女とは、美しい花を咲かせるだけの者ではなく、苦しみあえぐ者のために戦う者のことだ」
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