ある日、貴族の息子が生まれた。
しかしその息子は、肌が青かった。
魚人族の特徴を持った子供だった。
そんな息子が生まれたことを隠すため、貴族は息子を海へと捨てた。
しかしその息子は――海で、息が出来た。
「あら、捨て子?」
その子を拾ったのは、人魚だった。
ノアと名付けられた青い肌を持った子は、海の中で育てられる。
その子は生まれながらにして――海の支配者となれる者だった。
海流を操り、世界最速の人魚よりも速く泳ぐことが出来た。
伝説のクラーケンと遭遇し、なぜか話すことが出来た。
クラーケンが言う。
「ノア様は、海王となる存在です」
ある日、ノアが暮らしていた人魚の村に人族の盗賊が来た。
人魚達はあっという間に捕まってしまったが、ノアが一人で盗賊を撃退する。
魚人族と人族との圧倒的な人口の差があり、魚人族は虐げられていた。
その状況を見て、ノアはそれを覆すことを決意した。
「俺……海王になる」
魚人族だけの王国を作ることにしたノア。
自分を捨てた貴族に宣戦布告をし、海にいる怪物をクラーケン以外にも実力を見せて仲間に加える。
――これは、世界の7割を占める海を全て操れる男が、世界最強の王となる物語である。
レビュー