「そうですか。だったらさっさと出てってください。手続きはこっちでやっておきますんで……はい、おつかれでしたー」
それは銅級冒険者リーフが世話になった……いやこれまでギルドトップのパーティ『金獅子』と一緒になって執拗に嫌がらせをしてきたディアナギルドの受付嬢の最後の言葉。
「スキルの応用で……いくらでもスキルを身につけられるようになったんだ。ちゃんと使いこなすまでには時間はかかるけど、必ずギルドの力になれるはずだぞ」
「だから、もうそーゆー話じゃないんですって。つか、そんなのあり得ないっしょ。ここでアタシが逆らって今後『金獅子』様の担当に就けなくなったらどうしてくれるんですかー?」
懸命の説得にも取り合うこと無く冷たくあしらう受付嬢レリーの様子をみて、リーフは決断する。
「だったら、もうこのギルドに用はない。俺はもう好きにさせてもらう」
受付嬢レリーは知らない。
植物が支配するこの世界において、どんな植物からでも力を摂取する事が出来るスキルを手に入れたリーフは『災害』と呼ばれる魔物の力さえも吸収し、規格外の強さを手にしていくことを。
ちゃんと実力を評価してもらえる別のギルドに移籍してみるみるうちに成り上がっていくリーフ。
リーフが新天地で冒険者生活を謳歌していく一方、嫌がらせを続けていたディアナギルドの『金獅子』や受付嬢レリーは窮地に立たされていく。
これは最底辺という悪評まみれだったリーフが、パイプ片手に英雄へと至る冒険譚。
※この度、この作品の書籍化が決定しました!! 詳細はまた後日、です!
※ 旧題『毒味役にもなれない外れスキルと馬鹿にして追い出したのはそっちだろう? 今更戻れと言われても……~毒草をパイプで楽しめるスキルは、吸えば吸うだけスキルが無限に手に入る最強のスキルでした~』
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