婚約破棄は目の前で 〜没落令嬢は見た〜

著者:瑪々子

「ジョセフィーヌ、君は聖女であるティナに、度重なる嫌がらせをしたそうだな。…君との婚約は破棄し、君を国外追放に処す」

学園の卒業パーティーの場で生徒たちが見守る中、マキシミリアーノ第二王子は、それまで自らの婚約者だった侯爵家のジョセフィーヌにそう言い放った。

その断罪劇を目の前で見ていた一人が、没落しかかっている伯爵家の令嬢、セシリアだった。
思いがけない婚約破棄に驚きつつも、セシリアは見てしまった。婚約破棄をされたジョセフィーヌが、なぜか微かに口角を上げ、聖女ティナと意味ありげな視線を交わすのを。

卒業パーティーの後、婚約破棄を告げたマキシミリアーノ第二王子が、そんなセシリアの元にお忍びで訪ねて来た。
「半年前まで、君の魔法で時間を巻き戻して欲しい」そんな依頼をするために。

大金を積まれて、第二王子の依頼を引き受けたセシリアは、婚約破棄の舞台裏に巻き込まれていく。

※本編完結済です。

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