エルフの森の転生幼女 ~追放者レベル782、精霊使いのやりたい放題異世界ほのぼの日記~

著者:白石新

飯島友里という女の人がいました。
彼女は異世界転生の時、神様から核兵器ボタンを授かりました。
それは、銀河系を丸ごと吹き飛ばすレベルの超兵器です。
一度切りしか使えない転生特典ということですが、異世界で使ったら当然……世界もろとも吹き飛びます。
時を同じくして、環境破壊にいそしむ地球の愚かなる人類を殲滅すべく、666万の軍勢が宇宙から迫っていたのです。
天使の戦力は、100体でアメリカを1時間で壊滅にできるということらしいです。それが666万です。大統領もビックリです。
「使いどころないので、転生する前に天使に核兵器ボタン使います」
そうして飯島友里は本人も気づかぬままに666万の魔物の討伐を行い経験値ゲットしました。
レベルも782になって、もう無敵です。
そして、彼女は異世界でクリスティーナとして生を授かりました。
お話変わりまして、異世界です。そこには魔物の浄化を生業とするアクランド家という家系がありました。
子供ができないその家に、一人の少女が引き取られることになりました。そう、我らがクリスティーナです。
そして、とある事実が判明します。
「せっかく引き取ったのに……聖女適性がゼロ……だと?」
アクランド家当主はそれはそれは落胆し、オマケに聖者適性がバツグンの実子を妻が授かることになったのです。
少女の待遇は露骨に悪いものになりました。それは陰湿なイジメと言い換えても良いかもしれません。
そうしてアクランド家として邪魔になった彼女は、凶悪な魔物が闊歩する大森林に捨てられることになります。
その理由は魔物に少女を食べさせてしまおうということ……つまりは、厄介払いでした。
どこにでもあるありふれた話、ありふれた不幸です。
ただ一つ他と違うことは、彼女は自身で気づいていないだけで、レベル782だったことなのです。
Sランク冒険者でレベルは大体50くらいです。レベル782の領域だと、職業適正なんてものは関係ありません。
「なんだこの超大規模浄化はっ!? 有史以来の超大規大氾濫(スタンピード)が止まった……だと? お前がやったのか!? すごい! 我が家から大聖女の誕生だ!」
「今更帰れと言われて遅いです! 私は錬金術師として頑張っていくんです!」
そうして、家でずっとうつむいていた一人の少女は、森の湖畔で生き生きと活躍する事となりました。

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