最高難度迷宮でパーティに置き去りにされたSランク剣士、本当に迷いまくって誰も知らない最深部へ……。~「戻ってこい」と言われてるかどうかもよくわからない。俺の勘だとたぶんこっちが出口だと思う~

著者:quiet

「俺なんて剣を振るしか能がないから、ひとりで迷宮に突っ込んだりしたら、二度と出てこられないかもしれないぞ。はは」

 Sランクパーティに所属する主力剣士・ジルは最高難度迷宮の攻略中、すったもんだあった末にたったひとりで置き去りにされてしまう。
 ただでさえ致命的な方向音痴のジル。そのうえ普段かけていた眼鏡がメッタメタのズッタズタに破壊され、もはや自力で地上に戻れる見込みは爪の先ほどもない。どう考えてもその場で救助を待つほか活路はない。

「ふっ……。口ほどにもないな、最高難度迷宮……!」

 しかし方向音痴に特有の根拠のないトンチキ自信と卓越した剣の腕を武器にジルは進む。ずんずん進む。書物に残された歴史上、まだ誰も踏み入ったことがないはずの領域をガンガン進む。途轍もない力を持つ魔獣が出てきてもよく見えないままズバズバ斬って捨てる。
 やがて現れる似たような方向音痴ども。
 徐々に姿を現し始める迷宮の本当の姿。
 そして訪れる「もしかして俺って何ヶ月もかけて出口から遠ざかってないか?」という悲しい気付き……。

 一方地上では、彼を捨てて行った冒険者パーティにも不穏な空気が立ち込めて……?

 そんな感じの準最強主人公系ファンタジー。

*完結済

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