悪役スチルフルコンプした公爵令嬢は大好きな悪戯が止められない

思い返せば色々なことをイザベラに仕掛けたものだ。

言葉遣いを嘲笑った。服装の汚れを嘲笑った。

髪の毛が跳ねていたのを大声で嘲笑った。

教科書を忘れてきたことを大声で嘲笑った。図書室へ行けば貸してもらえることをわざと教えて、恥をかかせた。

教科書とノートにくだらないパラパラまんがを描いてやった。さぞ勉強するときに邪魔だったろう。

テストの点数を大声で嘲笑った。テスト勉強で時間を潰す姿は滑稽だった。

風邪を引いたあの子の体調管理を嘲笑い、頭に響く高笑いを浴びせかけて医務室へ惨めに追いやった。

席の横を通り過ぎる時に足を引っ掛け…たのはあそこの令嬢Aだったか。セコい女だ。

得意の風魔法でスカートをめくり上げた…のも令嬢Bだな。私は炎魔法しか使えない。

みすぼらしい弁当をここで食うなと教室で責め立て、屋外の一人か二人でしか食べられないベンチへ追い込んだ。いつもその姿を間近で笑ってやった。

最終的には階段から突き落とした。あそこの令嬢Cが。怪我でもしたらどうするつもりだったのだあのバカ女Cは。

他にも色々やったが、どれもあの子を追い詰めるものだった。

そして大半は私がやった。ええ確かにやった。

考えつく限りの悪逆非道だと思う。

とても楽しかった。ええ、それはもうとっても。

涙を流すあの子の顔は今思い出しても笑えるわ。

今思い出しても笑顔が抑えきれないほどに。

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