【短編】スキル作成でたくさんのスキルを作って与えていたのに、クビにしてからそのありがたみを知っても、もう遅い。

 フィラカイトはスキルを作ることができるスキルを所有しているが、スキルをセットできるスキルスロットの空きがないため、スキルを作っても自分で使いうことができなかった。だから、クラン員にスキルを与え、レベルを上げてやることでクランに貢献していたのだが、ある日、フィラカイトは所属するクランのリーダーに呼び出され、クビと言われてしまう。
 スキルを作るためには、多くの経験値を消費する。そのため、多くの経験値を得ていたフィラカイトは経験値酔いを起こす毎日を過ごしていた。クビを言い渡された時も経験値酔いによって、酷い状態のフィラカイトは反論するだけの元気がなく、素直にクビを受け入れた。
 だが、クビを言い渡した側は知らなかった。フィラカイトがいるからスキルが管理されていたことに。フィラカイトがクランを追放されたことで、与えられたスキルが全て経験値に還元され、フィラカイトの元に戻ってしまったことを。
 クビになって自分の可能性に気づいたフィラカイトと、フィラカイトの加護がなくなって落ちぶれていく者たち。その先に待つのは栄光、繁栄、それとも没落か。

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