階段から突き落としたことを断罪する王子と、階段から突き落としたことには理由があると弁明する悪役令嬢の話

「アルシェラ・アルタミラーナ公爵令嬢! 君との婚約は破棄させてもらう! 新しい婚約者はここにいるクレア・ヴァレンタインだ!」

僕、第一王子ユリアンはとてもいい声と表情でそう告げた。
驚き、狼狽する悪役令嬢アルシェラに、僕は追い打ちを掛けるかのように言った。

「アルシェラ! 君がここにいるクレアを階段から突き落として怪我させたことはわかっているんだ!」

そう言った途端、アルシェラは大声で言った。

「私は……私はただ、あの日そこのクレア嬢に財布をスられそうになって、反射的に『泥棒!』と叫んで突き飛ばしただけですッ!」

真っ青になって震え出すクレア。
え? やったの? 君そんなことやったの?

果たしてアルシェラ、クレア、彼女たちのどちらが真に悪いのか。
僕、ユリアン王子は断罪を続ける。

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