キスを落としたあとで。

生まれて初めて
“一目惚れ”をしました。
* ────────────── *
クールで少し冷たいきみは、
いつも誰に対しても塩対応。
笑った顔なんて一度も見たことがない。
心の内側に踏み込めない。
「俺、誰とも付き合うつもりないから」
どうすれば私、近づける?
どうすれば特別な女の子になれる?
近づきたいのに、近づけない。
触れたいのに、触れられない。
そんな距離がもどかしい。
けれど、
「おまえのこと好きだからだろ」
私を強く抱きしめる、優しい腕。
……ズルい。
そんなことされたら私、ますます好きになっちゃうじゃん。
「私のこと好き……?」
「好きだよ、桃香」
クールで少し冷たいきみは、
時々、甘くなるみたいです。



あらすじ
高校一年生のときに、一目惚れをした白石桃香(しらいしももか)。二年生になって好きな人と同じクラスになれたけれど、好きになった相手は人気者の、クールで少し冷たい永瀬弓弦(ながせゆづる)くん。恋に奥手な桃香は、頑張ろうと奮闘するが、なかなか距離は縮まらず。ある日、カラオケ店から連れ出されて「気づかないおまえが悪いんだからな」とキスをされて──?!
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