とある先輩の、歪んだ狂愛。

『お前、イジメられてるんだって?』
その一言がいじめられ人生に休止符。
───…ではなく。
『じゃあ俺も今日からイジメていい?』
まさかそう来るとは。
どうにも厄介な先輩に絡まれたみたいで。

クールで無愛想
いじめられっ子な後輩
南 涼夏
─Minami Suzuka─(16)
×
サディストでサイコパス
いじめっ子な先輩
高槻 周
─Takatsuki Amane─(18)

『あれ?泣かない?おぉ睨む?
…いいねそういうの好きだよ』
『俺が教えてあげるよ。
お前は可哀想で憐れで惨めな
いじめられっ子なんだよーって』
わたしは、可哀想なんですか。
『だってそう見て欲しいんでしょ?』
そんなこと言ってくるのは
先輩だけ。


『なに被害者面してんの?
虐められてるお前だって立派な加害者』
『そうやって何もしないでただ受けてるだけ。
自分の心と体、十分虐めてんじゃん』
そんなこと言ってくれるのも
先輩だけ。


ねぇ先輩。
どうしてわたしなんかに構うんですか?
『苦しい?辛い?俺が嫌い?憎い?
ほらもっと出して』
『最低?ならこのままもっと最低なことしようか』
知るべきじゃなかった。
こんなにも狂った溺愛を。
『もっと嫌って、蔑んで、恨んで責めて。
───…もっと俺を興奮させてよ』
知りたくなかった。
先輩の『もっと』は
とても哀しいってことを───…。


『可哀想じゃないよ。
お前は、可哀想な子なんかじゃない』
おかしいね、
先輩のその言葉は。
可哀想で仕方がない───って、聞こえる。
『その顔は好きじゃないな。
だって守ってあげたくなっちゃうでしょ』




とある先輩の、歪んだ狂愛。
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