オオカミくんから逃げられない

つきあたりを曲がったその時
バキッて、音がしたんです。
――…バキッ、て。
「俺、オオカミっていうんですけど」
「…狼…!?」
「いやそれ動物。大神です」
「…おおかみ……、…狼…」
「さっきと同じじゃねぇか」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
通称「最強オオカミ」系男子
×
転校初日にやらかした系女子
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
前髪が少しかかった伏せがちなつり目
誰も寄せ付けない孤高の雰囲気
なのに、どこまでも真っ直ぐで優しい彼に
わたしはどんどん、惹きつけられて
「だーめ。もう逃がさない」
ゆるく毛先が遊ばれた
前髪が風に靡いた、その奥の
ーー…三白眼に、射貫かれた。
オオカミくんから逃げられない。

2021.01.10 完結*
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