柳瀬あさとの小説一覧

小説家になろう

ルームメイトが卒業の日に丸をつけたカレンダーを紙飛行機にして飛ばしていたので、私は彼女を口説き落とすことにした

 ベランダから飛ばされた紙飛行機は、上手い事風に乗って寮の敷地外へと飛んで行った。 「あのカレンダー今月の!」 「見たくなかったのよ」  憂鬱そうに言うルームメイト兼親友のセリーヌの相談に乗ると、どうやら彼女は卒業式の後のプロムで婚約破棄をされるらしい。  怒り心頭の私は彼女に尋ねる。 「ねぇ、婚約....
著者 : 柳瀬あさと
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美女は野獣を逃がさない

「……君は、婚約者だけでなく、恋人もいないのかい?」  少し前に妹のリュシエンヌの婚約者が決まった。その婚約者であるエティエール公爵家嫡男アドリアンが、私の顔をじっと見ながらそう言った。  ボゾルト侯爵家嫡男のグレゴワールは自他とも認める不細工である。それゆえに女性との縁が無かったが、そんな彼に....
著者 : 柳瀬あさと
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おお魔王よ! 死んでしまうとは情けない!!

「よーし! 王国軍を叩き潰すぞ!! 大丈夫やれる魔族なら出来る!! 正義は! 我らに! あり!!」  広間に集まった魔族を前に高らかに宣言すれば、魔族の皆は空気を震わせるほど大きく応えた。  私の後ろで玉座に座った魔王様は「あの、皆、無理はしない様に……!」とか言っていたが、側近のアーモンさんに「....
著者 : 柳瀬あさと
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とある脇役貴族の世界の呪い方

 多分、この世界はラノベ『発明令嬢は公爵閣下に溺愛される?!』の世界だ。  だって特徴的な世界観だし、名前だし、外見だし。  そして私、モデナ侯爵家のルクレツィアは、作中で敵役、いわゆる悪役令嬢だった……。  え~~~~~~?? これって異世界転生ってやつだよね~~~~~~???? やだ~~~~~~....
著者 : 柳瀬あさと
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ごくありふれた異世界転生物語だった

 私、ミレア・ウィンディアには、はっきりとした前世の記憶がある。  それでも私はミレア・ウィンディア。ウィンディア伯爵家の一人娘。異質であろう前世の記憶は口に出さず、他より少し賢い少女として貴族として生きていくつもりだった、が……。  この婚約者候補の美少年、ケイン・ワーグナー?! 『残アモ』の?!....
著者 : 柳瀬あさと
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初夜は今、愛がなくとも何とかする

「私には愛する女性がいる」   フィッシャー伯爵を引き継いだ私、クラフト・フィッシャーは、結婚式を終えた日の夜、つまりは初夜に、妻であるエルフリーデにそう告げた。  この結婚は政略だ。貴族にとってはよくある当たり前の話。そして結婚と子作りの義務さえ終えてしまえば、互いに恋人を作る事も当たり前の話。....
著者 : 柳瀬あさと
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彼女と彼女に起きたいくつかの不思議と奇跡

 ベリク伯爵家の令嬢エリザベートは、魔術師にして学園の図書館司書を務めている平民のゲオルクの事が好きである。 「ゲオルク様! よろしければこちらお召し上がりください!」 「規律により受け取れません。館内での飲食の持ち込みは控えてください」 「少しくらいいいではありませんか!」 「お静かにお願いしま....
著者 : 柳瀬あさと
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当事者不在の迷走婚約解消劇

「ねぇ、いい加減気付いてくださる? レオンは貴方なんて好きじゃないの、私を愛しているの、さっさと婚約解消してレオンを自由にして頂戴」  春の訪れを祝う園遊会の最中、美しい声で居丈高に告げたのはシルヴェストル公爵家のマルティーヌ・リオンヌで、言われたのはアルノー伯爵家のニナ・アルノー令嬢である。そし....
著者 : 柳瀬あさと
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だから私は主役になれない

少女は気がついたら知らない所にいた。知らない世界で知らない人達に囲まれ『要の巫女』だと言われ、そしてもう元の世界には戻れないと言われる。 「い、嫌、です……帰して、帰して下さい!」 ....
著者 : 柳瀬あさと
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王弟殿下は今日も元気に真実の愛をお探しです

拝啓 お母様、私が仕えるお嬢様の婚約者である我が国の王弟エドガー・グレン・ハミルトン殿下は、今日も元気に真実の愛をお探しです。 「とうとう見つけたのだ。私の真実の愛を」 「おめでとうございます」  失礼、どうやら見つけられたようです。真実の愛が見つかったとのご報告は、これで三回目となります。不思....
著者 : 柳瀬あさと