剣聖に裏切られた幼馴染の旅路

辺境の小さな村で育ったシーナは、幼馴染のユキナと結婚し、いつまでも続く日常を繰り返していくのだと思っていた。
そんな二人は成人となる15歳を迎えた。
成人の儀で伝説の職業、剣聖に選ばれてしまったユキナは神官に連れて行かれ、旅に出る。
一年後。魔人の四天王の一人を倒したというユキナが勇者一行を引き連れ村に戻って来た。
再会を喜ぼうとしたシーナは、ユキナが勇者と恋人同士になったと聞き失意したが、ならば自分もとさっさと諦め村を出た。
冒険者となった彼は世の中を見て学び、生き抜く術を磨く。
そんなある日、家の扉が開かれて。
「妾はただ、この世界で仲良く平和に生きたいだけなのじゃ!」
血の滲むような努力と女神から貰った異能の力で、少年は世界を変える為に苦難する。
これは、本来主人公にヒロインを取られ、泣き寝入りするしかない村人。
そんな彼が、一人の少女と出会い。世界を「守り救う」のではなく「共に生きる」為に変えようと歩んだ道。
物語の本筋に背き、絶対である主人公に一矢報いた男の旅路を描く。
彼には英雄の幼馴染はいらない。…続きを読む

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