何と言われようとも、僕はただの宮廷司書です。

著者:安居院晃

王都で暮らす少年──セレルは自称ただの司書。
勤め先である王立魔法図書館で毎日本の整理をし、本を読み、本と共に過ごしている。
司書として忙しいながらも楽しく、ごく普通に仕事をしていると本人は思っていたのだが、どうやら周りの評価は違ったらしい。
──そもそもこの巨大な図書館の司書をたった一人でしている時点で異常。
──その膨大な知識は生きている教本とも言える。
──っていうか宮廷司書って王都で君しかいないからね?
等々、図書館にやってきた人たちにはこんなことを言われる始末。
別に僕は普通に仕事してるだけなんだけどなぁ。
なんて思いながら、今日も淡々と図書館で過ごします。
何を言われても、僕はただの司書ですから。

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