通夜の晩に死神一柱

 友人の通夜に参列した私はその死を悲しんでいました。友人が死んだのは私のせいだ、出来ることなら私が代わって死ぬべきだとまで。そう考えていると、薄気味悪い白装束の老人の男が現れたのです。男は死神と名乗りました。私は彼に付いて行くしかありませんでした。寺の庭から洞穴に入り、着いた所には一面のろうそくが並んでいました。まるで、落語『死神』で出てきそうな場所じゃありませんか。
 死神は私に試練を与えると言い出しました。自分のろうそくを探し出し、それを差し出せというのです。どうしたらいいのか、私は困り果てました。考えに考えた挙げ句、私はある策に賭けることにしました。
 その策はうまく行ったように見えました。しかし、そうは問屋が卸してくれませんでした。

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