たとえ愛しても、次の日に忘れてしまう魔法の薬

著者:白井夢子

「愛する番への気持ちも思い出も、全て記憶から消すことの出来る魔法の薬」

そんな薬があるという。
ただしその薬を飲んだとしても、番への執着が強すぎる者は、再び出会えばまた相手に惹かれてしまうらしい。
だけど例え再び惹かれても、それは次の日にはキレイに消えてしまう想いのようだ。
どれだけ番に執着を見せる者でも、1日だけではそれほど強い想いが育たつことは無いからという。

そんな薬を求める者は、よほど追い詰められた者だろう。
クレアの場合もそうだった。

クレアには、愛する番のブライアンがいる。
だけど、クレアの重すぎる愛故の執着を見せる行動に、ブライアンの気持ちが離れていっている。クレア自身もこのままではダメだと分かっていても、その行動が止められない。

「最近は夢にうなされることもあるんだ。もう顔も見たくない、ってのが本音だよ」

ある日偶然聞いてしまったブライアンのその辛辣な言葉に、クレアは残酷な現実を突きつけられる。
そうして魔法の薬を手に入れることを決意したのだ。

極限状態の中で手に入れた薬をキッカケに、そこから2人の新しい関係が始まっていく。

想いの重さの相違がもたらす結果は、幸せに繋がるだろうか。

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