婚約破棄するとしあわせになる木の下で婚約破棄の宣言を迎え撃つ令嬢のお話

「私は真実の愛を見つけた! 伯爵令嬢イスランシア! 君との婚約は破棄させてもらう!」

 ――『ブレンゲージの輝く夜』。大樹の下で開かれる夜会で婚約破棄を宣言した者はしあわせになる。それ以外の日と場所で婚約破棄した者は不幸になる。

学園にはそんな伝説が伝わっていた。

今宵、光り輝く大樹の下で開かれた夜会。参席した生徒たちの誰もが婚約破棄が起きることを期待していた。
伯爵令嬢イスランシアはこのおかしな行事のヒロインに選ばれてしまい、ついに婚約破棄を宣言されてしまったのだ。
あまりにも異常にして理不尽な状況を前に、しかし、イスランシアは笑みを浮かべた。

「真実の愛……真実の愛とおっしゃいましたね? 断言しましょう。あなたが真実の愛と信じているもの。それは空虚な偽りなのです」

イスランシアはこの婚約破棄が告げられることをわかっていた。
だから備えていたのだ。偽りで、この宣言をなかったことにするために。

果たしてこの婚約破棄はどうなってしまうのか?
伯爵令嬢イスランシアが本当に偽っていたこととは?

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