王女は心中に失敗した

著者:蛮野晩

『ルーデリア王女とクレイズ宰相が駆け落ちした!』
 私(ルーデリア・十七歳)とクレイズ宰相が駆け落ちしたという醜聞が王都に広まった。
 私は女王に即位したのちは帝国に嫁ぐことが決まっていたけど、そんなの冗談じゃない。私はね、クレイズを愛しているの。クレイズは自分より四十歳も年上だけど、恋心をおさえることはできなかった。
 でも年の差なんて関係ないわ。私とクレイズ宰相は愛しあって駆け落ちした。目指すは新天地!海の見える丘に小さなおうちを建てて二人で幸せに暮らすのよ!

 私とクレイズは身分も立場もなにもかも捨てて駆け落ちし、――――失敗した。

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