聖印騎士団長ヴァチアの侵略。

 帝国辺境伯領、聖印騎士団の騎士団長を務めるヴァチアは、かつて孤児だった。

 ある日彼女は、騎士団を率いて幼少期を過ごした隣国……腐敗し切ったソドム王国への侵攻を開始する。

 情け容赦のない苛烈な進軍により、ついに王都が陥落。
 制圧した王都の牢屋の赴いたヴァチアは、一人の男と再会する。

 自分を拾い、そして『才能がない』と帝国辺境に捨てた稀代の大悪党、奴隷商のリーバに。

 痛めつけられ、ボロボロの彼を前にしてヴァチアは笑みを浮かべる。

「お久しぶりです、義父上。気分は如何ですか?」

 これは報復の物語。
 腐れた〝悪〟を『浄化』した、英雄の物語。
 

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