農民上がりと馬鹿にされた私ですが、甘党皇子が果樹園を気に入って離れないので、それどころではありません。

長年の功績が称えられ、父が男爵位を賜った。
皇子殿下が視察に来た――――だけのはずだったのに。帰らない。
皇都で私は『農民上がりの野生児』だと揶揄されているようだが、それどころではない。皇子が我が家に居座り続けているし、皇帝も承知の上なのだ。気を抜くと一生いそうな気がする。ほんとうに、それどころではないのだ。

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