聖なるおビンタは冷血卿に愛を与える

著者:紬夏乃

アーネッタの手には不思議な力が宿っていた。
黒い靄を払う奇跡の力。黒い靄は良くないものなのだとアーネッタは実感している。

アーネッタがデビュタントを迎えた日、王宮の大広間でアーネッタはひとりの男性を目撃した。
全身を黒い靄に覆われた、『冷血卿』と呼ばれる若き公爵イェルド。

あんなもの放ってはおけないとアーネッタは決意した。

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