ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。

著者:光子

ーーー両親の愛情は、全て、可愛い妹の物だった。

昔から、私のモノは、妹が欲しがれば、全て妹のモノになった。お菓子も、玩具も、友人も、恋人も、何もかも。
逆らえば、頬を叩かれ、食事を取り上げられ、何日も部屋に閉じ込められる。

でも、私は不幸じゃなかった。
私には、幼馴染である、カインがいたから。同じ伯爵爵位を持つ、私の大好きな幼馴染、《カイン=マルクス》。彼だけは、いつも私の傍にいてくれた。
彼からのプロポーズを受けた時は、本当に嬉しかった。私を、あの家から救い出してくれたと思った。

私は貴方と結婚出来て、本当に幸せだったーーー

例え、私に子供が出来ず、義母からハズレ嫁と罵られようとも、義父から、マルクス伯爵家の事業全般を丸投げされようとも、私は、貴方さえいてくれれば、それで幸せだったのにーーー。

「《ルエル》お姉様、ごめんなさぁい。私、カイン様との子供を授かったんです」

「すまない、ルエル。君の事は愛しているんだ……でも、僕はマルクス伯爵家の跡取りとして、どうしても世継ぎが必要なんだ!だから、君と離婚し、僕の子供を宿してくれた《エレノア》と、再婚する!」

夫と妹から告げられたのは、地獄に叩き落とされるような、残酷な言葉だった。

カインも結局、私を裏切るのね。
エレノアは、結局、私から全てを奪うのね。

それなら、もういいわ。全部、要らない。
絶対に許さないわ。

私が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、全部返さないと気がすまないーー!
覚悟していてね?
私は、絶対に貴方達を許さないから。

「私、貴方と離婚出来て、幸せよ。
私、あんな男の子供を産まなくて、幸せよ。

ざまぁみろ」

不定期更新。
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アルファポリス様でも掲載しています。

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