婚約破棄されたので「王太子の婚約者」を妹にゆずったら、上司の王弟殿下が迫ってきました。

貴族学院の回廊で、王太子のフォーアン殿下から婚約破棄を告げられたクラリス。その理由は、クラリスが我が国において初の女性文官として仕事に邁進し、婚約者としての立場を蔑ろにしているから、らしい。

「夫となる俺を立てず、いつも上からものを言う態度も気に喰わぬ」
「仕方がありませんわぁ殿下。お姉さまは子どものころから、ああいう性格なのですものぉ」

殿下は、クラリスの妹アイラを隣に配し、婚約者を変更すると宣言。
事態を収拾すべく動いたのは、クラリスに同行していた、職場の上司にして王弟のローウェル。
彼は、貴族階級の婚姻・出生管理を取りまとめる部署の室長だった。

夫が複数の女性を家に置くことが黙認されている王国で、妻の定義について考えるおはなし。

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